霞立つ野の上の方に行きしかば
鶯鳴きつ春になるらし
野の上には行かないけれど、鶯の初音である。
今年は笹鳴をあまり聞かなかったので、引っ越ししたかな、聞けないかなと思っていたのだが。表座敷の炬燵で転寝をしていたら、
ホーホケキョ、ケキョ、キョキョキョ……
良い声で上手に鳴いている。きっとモテるぞ、キミは。
障子を開けて姿を探したかったが、驚かせては可哀想なので、ぐっと我慢をして声だけを愛でる。
しばらく鳴いて、どこかに飛んでいったようだ。また来ないかと障子を開けて置いたが、餌を催促する雉鳩しか姿を見せない。
鶯は声はキレイだけれど好物は昆虫らしい。餌付けは無理かなあ。